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坂の上の雲〈8〉 (文春文庫)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 2532 位
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とても面白かった
明治期とは、封建時代の呪縛をとかれた力ある若者たちの能力が、縮みきったバネが飛び跳ねるが如くおのおのの空へと躍動していく、そんな時代であったのだろう。
そうした貧しくとも夢のある時代を生きた彼らが、その自己愛とも言うべき野心と共に併せ持った自己犠牲の精神にふれることができた。この潔さが武士道というものなのだろう。
太平洋戦争末期生まれの父を持ち、バブルの醸成期に学生時代を過ごした所謂団塊ジュニア世代の私には衝撃的な内容だった。明治の日本人の純粋さ強さ温かさ、そういった人間力の雄大さをまざまざと見せつけられた。資源のない極東の島国を今日世界第二位の経済大国にまで押上げた強さの基盤はこういった先輩方の精神と血と汗によるものなのだ。
なぜこの尊き精神が団塊以後に継承されなかったのか?戦後教育のあり方がそうさせているのか?単に豊かになったがための堕落なのか?私には答えはわからないが、考えさせられるきっかけとなった。
学生時代にこういった時代小説を読んでいれば私の怠惰な青春時代に一石を投じることができたのかもしれない。
"弱者の特権"
「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」
明治日本のハイライトである。
特に7、8巻を読んでいるときはアドレナリンの分泌がとまらず、電車の中では平静を装うのに苦労した。
当時、国力・経済力などあらゆる観点から見劣りする小国日本が大国ロシアを退けたのは魔法でも奇跡でもない。
・・弱者の側に立った日本が強者に勝つために、弱者の特権である考え抜くことを行い、さらにその考えを思いつきにせず、それをもって全艦隊を機能化した・・
この一文にそのエッセンスが表れている。
経財相の「もはや経済一流ではない。」という言葉が記憶に新しいが、もはや一流でないがゆえに努力し考え抜くという特権をじつは我々は同時に手にしている。どんな苦しい状況であっても、我々が考え抜き、実行できる人間であることをこの本の著者は教えてくれている。
もっとも重要なことではあるが、戦争のむなしさも十分に教えてくれている。
うん、叙事詩。
本書の素晴らしさについては他のレビュアー様のおっしゃるとおりなので、譲ろうと思う。
小説ではなく、史実でもなく、叙事詩だと仰る方もおられたが、実に的を得ている。
確かにこれはどんどん小説ではなくなっていくところが、他の司馬氏の諸作品とは違うように思える。
また、非常に印象的だったのが、司馬遼太郎の、小説とは何かにつての認識が、あとがきに垣間見えるところである。
「小説とは要するに、人間と人生につき、印刷するにたるだけの何事かを書くというだけのもの。」
この定義から言うと、やはり本作は小説とは言いがたいだろう。
それでも面白いのだけれど。
ほんとは、日本人ってかっこいい
日本という国も、そこに住んでいる日本人も、なんて素晴らしいんだと思わずにはいられなかった。
本当の日本人は、あごを上げ、背筋を伸ばし、自分の生きる道をまっすぐと見据えて生きることができる。
調子に乗りやすいところがたまに傷かもしれないが、それでも日本人の芯はとてもかっこいいのだと思った。
他の国と同じように主張ができ、協調性も持っている。
今は目隠しをされている状態だけど、武士道という、世界に誇れる精神も持っている。
私達は各自がもっと胸を張って生きていいし、日本人として、誇りを持って日本を動かしていけるのではないだろうか。
そんな気持ちになった。
なぜそんなふうになれるのか想像もできないが、
登場する日本人が共通して持つ「日本を守るのため」という決死の覚悟にも、心を揺さぶられる。
維新により藩制度が消え、日本人vs日本人の形が「日本」という一つの国に。
そして国vs国の現在から、今度は、地球というひとつのまとまりになるんだろうか、なんて思った。
語り継ぐべき偉大な物語
全巻を通じて語られたのは明治の人々の国を思う心でした。明治という時代は日本において初めて「国家」というものを人々が意識した時代であり真っ向から作り上げようとした熱意に溢れた時代だったと思う。とくに日本海海戦は世界に誇ってよいと思う。残念ながら今の日本は過去にこだわらない主義らしいがたかだか百数年前の出来事なのだ。
文藝春秋
坂の上の雲〈7〉 (文春文庫) 坂の上の雲〈6〉 (文春文庫) 坂の上の雲〈5〉 (文春文庫) 坂の上の雲〈4〉 (文春文庫) 坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)
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