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坂本龍馬 (講談社学術文庫)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 4972 位
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現在のどころ、龍馬論の随一ですね
京大人文研の教授であった飛鳥井雅道氏の書いた龍馬論ですが、徳川慶喜の大政奉還後の龍馬の「迷走」に関して、上手に論じて、龍馬の考えを救っているのには、感心こそすれ、これまでの歴史研究者の形式論理の振り回し、重箱ほじくり作業に飽き飽きしていた者には、わくわくする楽しみでした。
近世後期から明治にかけて、歴史をざっくりと欠き割いて見せてくださる手腕には、いつも感心していたのですが、飛鳥井氏は残念なことに亡くなってしまった。古文書も読まれ、哲学的理論にも強かった研究者だったのですが……。
それより驚いたことに、講談社学術文庫版は、前の福武文庫版にくらべて、訂正・改訂が各所に加えられ精密さが向上していることで、亡くなる直前まで、手を入れていらしたのでしょう、著者の誠実さが十分に窺えます。
歴史家の描く英雄
この本は学術書なのだが、まるで小説を読んだような読後感。確かに著者は一般の人も良く分かるように難しい単語を避けている。しかしそれだけではない。この本で論じられているのが幕末の稀有の英雄坂本龍馬だからである。民権派、海軍の先駆者、平和革命派、という従来説かれてきた龍馬像のすべてを採り、それを「一歩はみだした」ところに龍馬の真骨頂があるのだという著者の龍馬理解は説得力があった。特に大政奉還時の綱渡りのような龍馬の情勢理解と行動力は驚くほかなかった。西郷も大久保も桂も海舟も龍馬より一歩遅れていたのだと歴史資料に裏打ちされて説明されると納得する以外には出来なかった。確かに龍馬は単に内乱を避けたわけではなかったろう。本心は討幕に在ったろう。しかし彼の現実的な判断は結局幕末の無血ブルジョワ革命を成功させる。彼の判断は正しく、内乱は長引かなかった。良くも悪くも日本の歴史に大きな影響を残したのである。
講談社
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